Animacy Motion Engine

生きているように感じられるキャラクタをつくることは多くのアート・エンタテインメントコンテンツで重要ですが、生き物らしい振る舞い(動き)を制作するには優れたアニメータの感性や経験が必要とされ、容易に作ることはできません。生き物らしい対象物の計算モデルによる構築は、これまでにもさまざまな観点から行われてきましたが、物理シミュレーションなどによる連続的な動きが扱われることが多く、実際の生物の動きに見られるような、突発的に動いたり止まったりする俊敏性のある動きや、動きが個体ごとに異なって見える動きの多様性があまり考慮に入れられていませんでした。

そこで、認知心理学におけるアニマシー知覚や生態生理学の知見に基づいて、生命的なCGアニメーションを自動生成する手法を提案します。2段階の確率的制御を用いて、実際の生物にみられる動きの突発性や多様性を再現します。熱帯魚やホタルについて本手法に基づいた動きのモデル化を行い、自律的に仮想水槽内で生き物らしく動くバーチャルアクアリウムアプリケーションを構築しました。

論文誌

  • 里井大輝, 中䑓久和巨, 星野准一: アニマシー知覚に基づく仮想ホタルの生命的アニメーションシステム, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, Vol.18, No.3, pp.337-343, 2013

査読付き国際会議

  • Daiki Satoi, Hisanao Nakadai, Matteo Bernacchia, Jun'ichi Hoshino: Life-Like Animation System of Virtual Firefly Based on Animacy Perception, 12th International Conference on Entertainment Computing (ICEC 2013), Springer LNCS 8215, pp.138-144, São Paulo, Brazil, October 16-18, 2013
  • Hisanao Nakadai, Daiki Satoi, Jun'ichi Hoshino: Life-like Animation System Based on Intermittency and Diversity of Motion, The 5th International Association of Societies of Design Research (IASDR) World Conference on Design Research, No.2278-1, Tokyo, Japan, August 26-30, 2013